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  • 2012.04.01 Sunday
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曲紹介

日記とは別に、20世紀音楽(近現代音楽)の曲を紹介するコーナーを設けてみました。

自分の趣味をもろにさらけ出している感じですが、
キワモノを紹介する、という趣旨ではなく、
あまり近現代の作品を聴いたことのない人でも
ある程度楽しめるのではないかと思われる、
比較的聴きやすい曲を載せていきます。

自分の独断に基づく偏った解釈ですので、
客観的・正確でない場合もあるのでご了承ください。
過去に自分のHPで掲載していた内容を多く含みます。

日付は実際にアップした日ではなく、
20世紀最後の日、2000年12月31日としました。

ドビュッシー 交響詩「海」

ドビュッシー 交響詩「海」(1905)

自分の好むところであるフランス近代音楽の作曲家の中から、
有名なドビュッシーの有名な「海」を取り上げてみます。

曲の構成は
第1楽章:海の夜明けから真昼まで
第2楽章:波の戯れ
第3楽章:風と海との対話
の、3楽章構成となっていて、それぞれの楽章に標題がついているものの、
曲を聴いたら、その海の情景が目に浮かぶ、という様な描写音楽ではない、という曲者。

幼い頃から、海に憧れを抱いていたドビュッシー。
船乗りになりたかったというドビュッシー。
実際の海の経験、というものはあまりなかった彼が、自分の中にある「海」のイメージを、
独自の管弦楽法にのせて、再構築したもの、と言えるか。

デュラン社から出版された初版の楽譜の表紙を飾ったのは、
葛飾北斎の浮世絵、「関東沖波浦」(大きな波と、遠くに見える富士山という構図の)
であった、というエピソードも。

曲の中身は、ドビュッシーの管弦楽法が織り成す、幻想的な世界が展開される。
音色の変化、うつろいゆく響き。
旋律が始まったと思ったら、もう次の楽想に変わっている。
色彩は豊かだけれども、どこか、もやの向こうに見えるようで、つかもうとしてもつかめない。

美しい曲だけれど、優雅、というのとは違う気がする。
演奏する方も聴く方も感情移入できるような、「甘い」音楽ではなくて。
曲自体は、非常にシステマチックに構成されていて、
聴こえてくるのは「音」「響き」そのものの純粋な美しさ。

バルトーク ピアノ協奏曲第2番

バルトーク ピアノ協奏曲第2番 (1931)

バルトークの残した3曲のピアノ協奏曲の中でも、最も有名で、名作と呼ばれる2番。
メロディー楽器としてではなく、打楽器のようにピアノを扱い、荒々しくリズムを刻ませる、
という彼の個性的な作曲技法が存分に発揮されている。


第1楽章の出だしから、非常にエネルギッシュな音楽が始まる。
ピアノは常に細かく音符を刻み、管楽器と一緒に不協の多い和音を重ねる。
この楽章で特徴的なのは、なんといっても弦楽器が使われていない、ということ。
でも、「吹奏楽的」に聴こえないのが不思議。
木管・金管の扱い方に、後のオケコンを彷彿とさせる部分がちらほらと出てくる。
短いフレーズが次々と現われては消えていく中を駆け抜ける音楽。

第2楽章は三部形式をとる緩徐楽章で、弦の静かなコラールで始まった後、
ピアノとティンパニが対話をする様に交わる。
その対話が荒々しくなり、双方とも激しく打ち鳴らされる部分は聴きどころ。
中間部ではスケルツォ的なプレストになり、細かい音符の入り乱れる、
非常に表情の豊かな音楽となる。
再びアダージョに戻り、一部のアダージョの展開した様な音楽の後、消え行く様に曲を終える。

第3楽章では、静かに終わった第2楽章の余韻を打ち壊すかのように、
非常にエキサイティングで暴力的な始まり方をする。
ティンパニの強力な後押しにより、ソロ・オケのテンションはひたすら上がりっぱなし。
拍子は頻繁に変わるが、その拍子感は強烈で、ハードロック的な印象を受ける。
終盤で木管を中心とした癒されるアンサンブルが少しの間展開されるが、
すぐに金管を主体として派手にエンディングへと突き進み、一気に終わる。


激しく、華やかで、かっこいい。
21世紀となった今では、現代音楽としては古典的作品に入るけれども、
この充実した内容は、風化されることはないのだろう。

プーランク オルガン、弦楽とティンパニのための協奏曲

プーランク オルガン、弦楽とティンパニのための協奏曲 ト短調(1938)

オルガンとオーケストラの作品、と言えば、恐らくサンサーンスの交響曲第3番が
最も有名で、人気も高いのではないかと思いますが、
このプーランクの作品も素晴らしいものです。

オルガンとティンパニをソロ楽器として扱い、オーケストラは弦楽器のみ、という変則的な編成。
曲名は、簡単に略して「オルガン協奏曲」とも言われますが、オルガンの多彩な音色によって、
管楽器の集団がいる様な錯覚すら覚えるくらい、全編を通してオルガンが鳴り響きます。

この曲を作曲した頃のプーランクは、宗教的な傾向の作品を数多く書いています。
軽妙洒脱な作風と言われるプーランクの、もう一つの側面。
この曲も、シリアスな宗教的な性格を持っていて、バッハを意識したかのようなバロック的旋律、
ドイツ的なかっちりとした響きや構成が見られます。
その中で不協和音が効果的に使われていたりして、独自の世界が創り上げられています。

曲全体は、切れ目なく演奏される7つの部分からなり、急速で激しい攻撃的な音楽と、
優しい幻想的な音楽を交互に聴くことができます。
オルガンと弦楽器が、相互に旋律として、または伴奏として絡み合ったり、
ティンパニと掛け合いをしたりと、長調短調入り混じり、様々な音楽が絶えず移ろっていきます。
フォルテッシモでガツガツ進むところは、鬼気迫る感じ。

聴いているうちにところどころで、ト短調、という調性のせいもあって、
バッハのトッカータを連想させます。
オーケストラの響きは、チャイコフスキーに似ていたり、ブルックナーに似ていたりする部分も。
近現代の音楽、と呼ぶには、あまりにもロマン的か。
曲の最後は、もしかしてバッハのパロディではないか・・・?

ヤナーチェク 弦楽四重奏曲第1番「クロイツェル・ソナタ」

ヤナーチェク 弦楽四重奏曲第1番「クロイツェル・ソナタ」(1923)

ヤナーチェクはモラヴィア:チェコ生まれの作曲家。

「クロイツェル・ソナタ」と言うのは通称で、「トルストイのクロイツェルソナタに刺激を受けて」
などとも呼ばれている。
ベートーヴェンの作曲した「クロイツェル・ソナタ」の演奏を聴いて
刺激を受けたトルストイが同名の小説を書き、
さらにその小説を読んで刺激を受けたヤナーチェクが書いた、という背景がある。

その小説、というものが、男と女の精神的・肉体的欲望の葛藤を描いたもので、
ある婦人が、「クロイツェル・ソナタ」を弾いたバイオリニストの家庭教師と不倫関係になり、
嫉妬に狂った夫に殺されてしまう、ドロドロしたメロドラマの様な内容。
文章は、その妻殺しの男が、自分の犯した罪を列車の中で同席した人に語る、
という形をとっていて、ヤナーチェクはそういった小説の内容を音楽で表現しようとしたらしい。


第1楽章のゆっくりした冒頭の後すぐ、チェロから始まる怪しげな6連符の動きは、
走る列車の音を表わしたそう。
これから始まる、男の語る暗い話を予感させる。
切なげで暗い旋律が1フレーズ歌われると、明るいピチカートの音とともに舞台は一転、
優雅で軽やかなメロディーにとってかわる。
その後上昇、下降を繰り返す激しい楽想が現われ、これらの素材が繰り返された後、幕を閉じる。

第2楽章は、舞曲の様に軽やかで、でもどこか悲しげな旋律によって始まり、
終始この旋律が曲を導いて行く。
その間に挟まれる楽想は、駒のすぐ上を弾く、スル・ポンティチェロのトレモロがあったり、
速い動きの伴奏が旋律をかき消していったりと、非常に神経質な感じの音楽。

第3楽章も、憂いを帯びた美しい旋律が、かきむしる様な細かい音によって、
幾度も中断させられる、という展開をする。
愛を求める男が、心をかきむしられている、という情景か。

第4楽章は、フレーズ感の長い静かな旋律がしばらく続くが、速い動きの伴奏とともに、
焦燥感に駆られる様に勢いを増していく。
旋律さえも細かい音符で演奏される様になっていくところは、
愛と殺意の狭間で揺れる男が悲劇的な決意を決め、結末へと向かっていってしまうのを想像させる。
最後は、男が全てを話し終えたかの様に、穏やかに落ち着いていった後、
ふっと消える様にして音楽が終わる。


全編を通して、ころころとテンポの変わる、曲想変化の激しい曲。
その分展開がドラマティックで、難解なようで、聴きやすい曲、と言えるかもしれない。

プロコフィエフ ピアノソナタ第7番「戦争ソナタ」

プロコフィエフ ピアノソナタ第7番「戦争ソナタ」 Op.83(1942)

プロコフィエフのピアノ曲の中では、最も演奏機会の多い曲です。
ピアノソナタ第6・7・8番は、第二次世界大戦中に書かれたため、「戦争」という
なんとも大仰な副題がつけられていますが、戦時中の不穏な空気が色濃く出ています。

第三楽章が、「打楽器のようなピアノの書法」という文句とともに特に有名です。
precipitato(性急に)という指示の、8分の7拍子の楽章で、
ものすごいスピード感とともにピアノを激しく打ち付けて、駆け抜けて行く感じ。
暴力的なまでにエネルギッシュ。
終わりまでひたすら突っ走る。
タテノリ系(?)で、すごくかっこいい。

ド派手な第三楽章に隠れてしまいがちだけど、穏やかでロマンティックな(ロマン派的な)
第二楽章は、基本的にはE-durで書かれていて、子守唄みたいで心地良い。

プーランク クラリネットとピアノのためのソナタ

プーランク クラリネットとピアノのためのソナタ(1962)

1899年、世紀末に音楽愛好家の両親の下に生まれたプーランク。
幼い頃から音楽と触れ合って過ごした彼は、若い頃から、
ピアノ曲や歌曲などの作曲を手がけます。
デュレ、オネゲル、ミヨー、タイユフェール、オーリックらと共に、
ドイツロマン主義からの脱却とフランス古典音楽への回帰をうたい、
エリック・サティの下に「新青年」を結成。
(この六人を指して、「フランス六人組」と言いますが、「ロシア五人組」のように
一つの楽派を築いた訳ではなく、個々の音楽性といったものに統一感はありません。)

プーランクの作風は、いかにもパリのエスプリ、といった感じ。
軽妙洒脱。通俗的、とも言われます。
確かにその通りだけど、豊かな叙情性とか、哀愁感、といったものに満ちてもいるのです。
1930年代後半からは、宗教曲にも手を広げ、新たな作風を展開します。
「オルガン、弦楽とティンパニのための協奏曲」なんかは、すごくシリアス。

さて、このクラリネットソナタ。
これは、プーランクが晩年に書いた、管楽器1本とピアノのためのソナタ
(Fl.,Ob.,Cl.の順に書かれた3部作)
の中の最後の作品であり、プーランク自身の最後の作品となった曲です。

全三楽章からなり、演奏時間は全体で15分程。

第一楽章。ヒステリックなクラリネットの動きで始まり、
すぐに穏やかな旋律となりピアノとからみあう。
でもどこか不穏な空気が漂うのは、独特な和声のせいか。

第二楽章 Romanza が僕は一番好き。
切ない旋律。
沸き上がる感情を抑えようとするけれども、それでも溢れてしまうこの想い。
・・・かな?メランコリック。

第三楽章は、また第一楽章のように、速い動きで始まり、
その後も躍動感に満ちた展開をする。
勝手な解釈ですが、この楽章が一番、なんかパリっぽいなー、て思ってます。

ラヴェル ピアノ協奏曲 ニ長調 「左手のための」

ラヴェル ピアノ協奏曲 ニ長調 「左手のための」(1930)

ラヴェルはその生涯に、ニ長調とト長調、2曲のピアノ協奏曲を書いていますが、
今回紹介するのは「左手のためのピアノ協奏曲」と言われるニ長調の曲。


第1次大戦で右手を失ったオーストリアのピアニスト、パウル・ヴィトゲンシュタインからの
委嘱で作曲された、といういわくつき。

曲全体は、18分程度の単一楽章構成。

「ラ・ヴァルス」を彷彿とさせる様な、低弦とコントラファゴットの不気味な地響きで曲は始まる。
徐々に盛り上がっていき、舞台が整ったところでピアノが登場。高貴で流麗、華やかなソロ。
アジア風に聴こえる・・・気もする。

それが収まった後は、しばらくピアノだけで静かに曲が進む。
そこにゴージャスにオーケストラが登場。
だんだんとジャズ的な要素が目立ってきて、ちょっとコミカル、でもクールに曲は進行。
後ろで鳴り響くオーケストラは、音色の色彩が非常に多彩で、
キラキラとした宝石が散りばめられた様。

いったん静かになった後、徐々にソロ、オーケストラともに盛り上がり、
不気味さを増していったと思ったら、木管を中心とした、肩透かしを食らった様な
軽妙なメロディーに移る。
 
華やかな頂点を形作った後は、また穏やかなピアノソロに戻る。
低音域での、美しいけれどどこか暗く悲しげな旋律。
ラストで、再びオーケストラと合わさり、慌てる様にして、劇的に曲は幕を閉じる。

曲そのものの魅力が大いにあるのはもちろんだが、このソロを本当に左手一本で弾いているのか、
と思うとにわかには信じられない。
何も知らされずにこの曲を聴いたら、普通に両手で弾いている、と思ってしまうだろう。
ラヴェルもすごいが、ピアニストもすごい。

シェーンベルク グレの歌

シェーンベルク グレの歌(1911)

1899年に作曲が始まった、シェーンベルクが20代の頃の作品。
大合唱、独唱者を含む、三部からなる大管弦楽曲で、極度に肥大した編成はなんと、

弦楽器:20、20、16、16、14
木管楽器:Picc.4、Fl.4、Ob.3、E.H.2、Cl.3、Es.Cl.2、
     B.Cl.2、Fg.3、C.Fg.2
金管楽器:Hr.10、Tp.6、B.Tp.、A.Trb.、T.Trb.4、B.Trb.、C.B.Trb.、Tub.
打楽器:十種類以上「大きな鉄の鎖」等を含む
合唱:4声の男性合唱×3組、8声の混成合唱
独唱:テノール(ヴァルデマル)、ソプラノ(トーヴェ)、山鳩(メゾソプラノ)、
  バス(農夫)、テノール(道化のクラウス)、語り手

というもの。総勢400名は必要。
この巨大な音源を使って、ワーグナー、マーラー、R.シュトラウスらの流れをくむ
ドイツ後期ロマン派らしい、濃厚で甘美な音楽世界が繰り広げられる。

ただし完成までに長い年月がかかっているので、曲の中で
シェーンベルクの音楽世界の変遷が聴いてとれるのが興味深い。

比較的新しい時期に書かれた、第三部六曲目の「鰻のような奇妙な鳥」などは
「月に憑かれたピエロ」(1912)のような、奇妙な響きが聴ける。
(この時点では、まだ12音技法は発明されていないが)

歌の内容について。

舞台は中世デンマークの、グレ城。
城主ヴァルデマールは少女トーヴェを溺愛するが、それに嫉妬した王妃によって、
トーヴェは毒殺されてしまう。
ヴァルデマルは怒りと悲しみのあまり神を呪うが、そのせいで天罰を受け、
死後も永遠にさまよう幽霊にされてしまう。
しかし、肉体を失ってもなおヴァルデマルを愛するトーヴェの愛の力によって、彼は救済される。

「劫罰 ― 償い ― 愛 ― 救済」
という、「浄められた夜」と通じるテーマ。
これは、ロマン派の作曲家たちが青年期に共通して好んだもので、
ベルリオーズの「レリオ」、ワーグナーの「さまよえるオランダ人」、マーラーの「巨人」
などにも、同じテーマが根幹にある様子。
この「グレの歌」は、そんなロマン派の「夢」がまとめて表されたものであり、
同時に爛熟しきっていたロマン派音楽の終焉を決定付けるものとなった。
最後の、最高の後期ロマン派の曲と言える。
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